真昼間の車中盗難被害ー集団での犯罪ーその後の対応
hM27dxRw
何事もなくアメリカに長年住んでいると、ついつい気も緩んできて、アメリカでは危険と隣り合わせで生きている現実を忘れそうになります。
今回は久しぶりに盗難被害にあい、アメリカは危険な国なんだと再認識させられた体験をお話しさせて頂きます。
被害にあう前
それは土曜日のことでした。家族4人(その当時は)で休日を楽しもうということになり朝に出発。
子供たちが甘いもの食べたいということで、子供たちのお気に入りのアイスクリーム店へ寄ることに。
アイスクリームを注文し終え、外のテラスで待っているときに、一人柄の悪そうな若い男性が、駐車場に止めてある私たちの車を凝視しているのに気づきました。
一人ぽつんと立って見つめているんです。本能的に嫌悪感がつのりました。
ちょうどその時に、注文したアイスクリームが来たこと、次男がアイスクリームを落としそうになったりなどで、その時は、その若い男性のことはわすれ、数分がすぎてしまいました。
ふと思い出して見直したときには、すでにその男性の姿は消えていました。
盗難発生
アイスクリームの後も引き続きドライブを楽しみ、お昼ごはんの時間が近づいたころ、馴染みのレストランへ寄ることになりました。
そこは人通りも多く、車も沢山行き来している、治安も至って普通の場所にある、レストランです。
家族で食事を楽しんでいると、今やってきたであろうお客さんが、幾分大きな声でなにか他のお客さんに向かって叫んでるような感じが見受けられました。耳を澄ますと、どうやら
“この中で、ホンダの車持ってる人いるかい?”
みたいなことを言ってたと思うのですが、大きなレストラン、中は人も多くにぎわっていたので、はっきりとは聞こえませんでしたし、特に気にせずに食事を済ませました。
会計の際にはじめて、外に停めてあるホンダの車の窓が割られている、ことをウェイトレスさんから聞きました。
なんとなく嫌な感じがし、おそるおそる車へ戻ると案の定、窓が割られている車は私たちのものでした。
被害状況
車の状況はひどいものでした。ガラスの破片が外と中、両方にちらばり、足の踏み場もなく、サイドドアも少々へこんでいました。
そして、すぐに頭によぎったのが何か取られたのではないか、でした。ガラスを慎重に避けながらおそるおそるドアをあけると私のカバンが盗まれていました。カバンの中には、
- 現金一万円
- デビットカードとクレジットカード
- ジャーナル
- $1,200の保険会社からのチェック
- その他化粧品やら細々としたもの
が入っていました。
私が一番に心配したのがジャーナルでした。 実はジャーナルには、すべてのオンラインアカウントのユーザーIDとパスワードを記していたんです。すべてのアカウントの数は50個ほど。Emailをはじめ、貯金を預けているオンラインバンクなどにアクセスされてしまうと思うと、不安で不安でたまらなくなりました。
すぐにしたこと
まずは一旦家族みんなでレストランの中へもどりました。そして以下の対処を直ちに行いました。
1.警察へ電話
車が盗難にあったことを伝え、すぐに来てほしいことを伝えました。実際にやってきたのは、電話してから30分ほど。もっと早くに来てくれるものだと思っていたので、待っている時間はやきもきしました。
後で知ったのですが、電話したときには、犯罪はすでに起った後なので、Emergencyとは扱われなかったようです。
2.ユーザーIDとパスワードを変更
ユーザーIDとパスワードを覚えているアカウントはスマホからアクセスして、即パスワードを変更。パスワードを覚えていないアカウントもパスワードをリセットして新規のパスワード作成しました。
3.クレジットカード会社に電話
カードが盗まれたことを報告すると、盗まれたカードを即使用不可にし、代わりに新しいカードを送ってくれる手際よく手配してくれました。
4.クレジットBureaus(Equifax)にコンタクト
警察の方から言われ、Credit Bureausの一つ、Equifaxに盗難を報告しました。
ソーシャルセキュリティなど大切な個人情報が盗まれた場合は、下記のCredit Bureausのどれか一つに連絡します。例えば、あなたの個人情報を使ってクレジットカードを作ろうとしても、Fraud Alertがすでに設置されているので、クレジットカード会社は身元確認を通常よりも厳格に行ってくれます。通常1年間有効で、まだ不安でしたら、延長することができます。
( またオンラインでも出来ます)
- Equifax (800)-525-6285
- Experian (888)-397-3942
- TransUnion (800)-680-7289
5. 証拠写真を撮る
保険会社にreportするときに、証拠写真が必要だろうと思い、最低20枚はいろんな角度から写真を撮りました。
6.警察の方からPolice Reportをもらう
これ保険会社にreportするときに必要になると思ったので大事にとっておきました。このときに、警察の方には、
- ドライバーズライセンスや、名前、住所などの個人情報
- 盗まれた物
を詳細に聞かれました
私からの報告だけでなく、警察の方自身も、車の状況を念入りに調べて、何やら紙に書き込んでいました。
7.チェックを再発行してもらう
その日は送られてきたチェックをデポジットしようと思ってカバンにいれていたのですが、盗まれたために、すぐに発行者に事を説明して、チェックを再発行してもらうことにしました。盗まれたチェックは利用できないよう、Voidしてもらいました。
8.お店の人に頼んで監視カメラでとった録画を見させてもらう
レストランの店長さんに監視カメラを見させてほしいと頼んだら、すぐに承諾してくれました。
この録画を見ることによって、この盗難は計画的だったものだと分かりました。まずこの盗難は5人ぐらいの大人数で行われたこと。その中に、私が朝にアイスクリーム店から見た、私たちの車を凝視していた若い男性が映っていたこと。
映像を見て分かった犯罪の手口
アイスクリーム店からずっと尾行されていたのだと分かりました。流れ的には、
- アイスクリーム店で仲間の一人が車の中を物色
- 車の中にカバンがあることを確認
- アイスクリーム店を出た後、私たちの車を尾行
- レストランへ到着
- 車の窓ガラスを割り、カバンを盗む
驚愕したのは、一部始終の間、周りには沢山の人々が行き来していることでした。私達が停めていた車のすぐ目の前は車道で、渋滞もしていたので、たくさんのドライバーが犯罪を目撃していました。昼間堂々と犯罪を行っているのです。
私たちがレストランへ去った後、すぐに5人は私たちの車のすぐ横に駐車。一斉に私たちの車をぐるっと囲み、そのうちの一人が、手に持っていたスナイパーで勢いよく助手席の窓ガラスを割りました。(怖すぎる。。。)かばんを盗むと、すぐさま逃走。
その間、およそ3分ほど。
手際良いので過去に何度も同じことをしてる犯罪集団と思われます。
- 全員見た目がこわく、しかも大人数
- 車を囲むことによって視界をさえぎる
- 窓を割る専用のスパイナーを持っている
- 手袋もはめて割れたガラスから手を保護
- 盗むターゲットをもう決めている、よって時間がかからない
- 治安にくわしい(これはただの推測)
あの手際の良さからすると、この犯罪集団が捕まるのは今後難しいかと思われます。
その後の対応
保険会社にリポート
自宅へ帰ってから、保険会社へ報告しました。このときに知らなかったことなんですが、
保険会社に車の修理代をカバーしてもらうと、リニューアルの際、次からの保険料が上がる。
んですね。私は知らなかったので、リニューするときに、ものすごく高くなった月々の保険料を見て、なぜかと聞いたら、過去のダメージの修復料金の為と言われました。
しておけば良かったのにしなかったこと
カバンの中には金目のものはなく被害が少なくて済んだのですが、盗まれたかばんは高めのもので、しかも購入したばかりでした。
その時に盗まれたものは泣き寝入りしたんですが、
車から盗まれた物品は、Homeowners (Homer renters) Insuranceがカバーしてくれるらしいです。
知らなかったのでもったいないことをしました。
引っ越し
嫌だったのは、ジャーナルが盗まれたせいで、犯罪集団には、私の生活が細部まで筒抜けだということ。 ジャーナルにはユーザーIDやパスワードだけでなく、子供の習い事の時間や、来月の旅行の予定など、カレンダーに書いておりましたので、私の行動が丸見えで、犯行も計画的だったことから、同じ家に居続けることに危険を感じました。
また私に送られたチェックの封筒には、私の名前と住所が記されていました。
犯罪集団がジャーナルの中身を確認するかどうかは定かではなかったですが、安全を期して引っ越しを決意しました。
幸いRentだったので引っ越しは難しくない状況だったのが不幸中の幸いです。
最後に
この被害にあってから、かばんなどは車の窓から見えるところには置いて車を離れないこと。持ち歩くジャーナルにはパスワードなど重要な情報は書かない。2つは必ず守るようになりました。
この被害による精神的ダメージも大きく、被害があってから数か月は犯罪でびくびくしていました。この2週間後ぐらいに実は近所で銃撃戦もありまして、そんなこともあり、アメリカっておそろしい、と毎日をびくびく過ごしておりました。
今はまた平和な生活に戻りましたが、以前以上にセキュリティには細心の注意を払うようになりました。
アメリカは犯罪と隣合わせということを肝に銘じて気を引き締めて、でも楽しみつつ、アメリカ生活をつづけていきたいと思います。
最後までお付き合いありがとうございました。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません